感想のページ 作者「ひ」
俺に撃たせろ!
火浦功イラスト:今掛勇
徳間デュアル文庫
(2008.6/15再読)
俺の名は、アルツ・ハマー。
『俺に撃たせろ!』本文より
この都市の正義と平和を、一手にひきうけている男だ。
たぶん、そのはずだ。
すちゃらかハードボイルド。
90~92年に連載された『アルツ・ハマーへ伝言』を改題加筆修正し01年に番外編を追加し出版。
たまに火浦功を読み返したくなります。
だって新刊という新刊出ないし(笑
ハードボイルドを貫いている。
言動しかり、秘密の情報屋の存在やその駆け引き。
そしてなにより命をかけた依頼。
普通ならここでハードボイルドの世界に陶酔できるんだけれども、どこかにオチがついてまわる。
そのすちゃらかっぷりを読むと火浦功の世界だよなぁと思える。
こういうのが読みたいのだ(笑
特にこの『俺に撃たせろ!』のオチは素晴らしいと思う。
そういえばあの事件は一体どうなったんだ!?と思えること必至であると思う。
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高飛びレイク【全】
火浦功イラスト:高橋明
ソノラマノベルス
(2007.3/31読了)
「おい。いくらなんでも、話を進めすぎなんじゃないのか?
『高飛びレイク【全】』本文より
てゆーか、おれが気を失っている間に、いったい何があったんだ?」
「色々なことがあったのよ、レイク」
「それはもう、ほんとに色々なことがね」
火浦功の「高飛びレイク」。
82年の「宇宙カジノ略奪作戦」
84年の「99%のトラブル」
85年の「ファントム・レディ」
これら3冊分が1冊に。
あとがき含めて書き下ろしが10pほど入ってます。
700pのうち10pが新作。
…………。
火浦功は読めるだけで十分である!
テレポーション能力を持つレイク。
そんな彼を筆頭に様々なところでドロボウ事業を展開するという内容。
えぇ。
この頃はものすごくしっかりとSFやってたような気がします。
それはそれで好きなんだけど。
80年代後半からのスチャラカなものも大好きであります。
……いつ本当の意味で新刊が読めるんだろうか。
そもそも21世紀に入ってから1冊しか見てないんですけど…
ガルちゃんしか。
新装版ならそこそこ出てるのになぁ。
現在連載中の「火星のプリンセス リローデット」も今のペースで連載がまとまっても50年くらい必要なんじゃないだろうか(笑
なにはともあれそろそろ新刊をーーーw
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見えない人影 各務原氏の逆説
氷川透トクマノベルス
(2005.11/27読了)
あらすじ
サッカー部のエースストライカーが失踪。
そして彼は血まみれになって発見された。
"左足で"蹴られたボールで後頭部を強打し、意識を失わせから殺されたらしいのだが…
用務員の各務原氏と軽音部の桑折亮が活躍する「各務原氏の逆説」シリーズ第2弾。
感想とか
サッカー好きで知られる氷川透によるサッカーを舞台にしたミステリ。
なんだかえらくマニアックな会話が小説内でなされていたりしますが、まぁそれはおいといて。
タイトルどおり"逆説"です。
なぜ左足で打ったシュートを20m離れた被害者の頭部にぶつけることができたか。
それすらもまったく違った見方から解決へと導いていく。
その過程も難しい理屈とかじゃなく"あっ"と気付けるようなものだったのが読みやすかったかな。
軽音部、サッカー部とシリーズが続いているけれども、さて次は...
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Memories Off~それからagain~
日暮茶坊ファミ通文庫
(2006.9/8読了)
ゲーム「Memories Off~それからagain~」の小説版。
「Memories Off~それから~」でハッピーエンドを迎えた後の話。
主役は"いのり""雅""果凛"の三人。
エンディング後ということなので……この幸せものめーーーヽ(`Д´)ノ
それは見たかった光景のような見たくなかったような(笑
かといって不幸な展開なんぞは見たくもないわけだけど。
しあわせーな空気はとてつもなく伝わってきます。
今度の乗り越えるべきものは二人で乗り越えていくという共同作業なのはほほえましいものである。
日暮茶坊によるメモオフ小説も21冊目。
メモオフにふれてからもう6年か…。
まだ着いていっている自分にも驚き。
旧作のキャラたちも時々顔を覗かせるのがこのシリーズのいいところだよなぁ。
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本格推理委員会
日向まさみち表紙イラスト:壱河きづく
角川文庫
(2008.5/1読了)
ああ、そうさ。俺はコスプレしてたさ。痛すぎることにネタじゃなく、三日に一度はその格好でご近所をうろついてたさ。鏡の前で「……犯人は、あなたです」って言う練習もしてたさ――ああ畜生ッ。過去の俺、死ね!
『本格推理委員会』本文より
第1回ボイルドエッグズ新人賞の受賞作品。
文庫版の解説はタニグチリウイチ。
小中高一貫のマンモス高「木ノ花学園」で結成された「本格推理委員会」。
理事長が結成した理由は事件が起こるから。
彼女が探偵の素質ありと認めたものだけが強制的に入らされる委員会。
メンバーは勘だけですべてを見抜く関西弁少女や凛々しく強く少女好きな女の子などかわいい子ばっかり。
その中に入った男子学生。
しかもシスコン。
これでもかと萌えに特化しキャラクターを掘り下げる様は情熱すら感じた。
登場人物も小学生と高校生だし(笑
でもしっかりと論理を組み立てるミステリ。
いわばラノベ+ミステリ。
けど実態は青春小説であると思う。
自分の中にある大きな壁を仲間たち、そして親や妹と共に乗り越えていく。
自分を乗り越える。
なんと痛い表現だろう(笑
確かに使い古され素晴らしい作品をいくつも生み出したテーマなんだけど、あらためて考えるとイタい。
主人公が高校生で、周りが女の子ばっかの状況というのもあいまって、ね(笑
そんな青さと痛さが同時にあるような感じだった(笑
もうそこがなんともよい!
直球ストレートに狙ってるよなー(笑
背表紙の「痛いほどに純真な~」という表現はまさに的を得ていると思う。
ここまでやってくれるような作者なら他の作品も読んでみたいと思ったんだけれども、この作品以降は活動してないのか。
残念 orz
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スクライド 新しき盟約
兵頭一歩イラスト 平井久司
電撃文庫
(2007.2/4読了)
「助けてやったんだ。まず言わねばならんことがあるだろう」
兵頭一歩『スクライド 新しき盟約』本文より
「頼んだ覚えはねぇ」
「ならば勝手にやらせてもらう!」
「ああっ、手前ェ! アレは俺の獲物だぁ!」
スクライド小説版。
テレビアニメ最後のほうの話。
友人からあげる、と言われてもらったけど…
さすがに「スクライド」の内容忘れてた(汗
カズマが吼えて戦ってるってイメージしか覚えてなかったもんなぁ。
あとは劉鳳とのかけあいとか。
「夢を見ていました」というセリフとか。
読んでて懐かしさはあったなぁ。
キャラたちを思い出すのにさすがに後半くらいまでかかったけど(汗
どうやらこのスクライド。
さらに後の話があるらしいのでそっちも読んでいくとしますか。
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スクライド・アフター
兵頭一歩イラスト 平井久司
電撃文庫
(2007.2/11読了)
止まるなよ。追いついたんだろ? だったらしっかり捕まえろよ
兵頭一歩『スクライド・アフター』本文より
スクライド・アフター1巻。
アニメ版の後日談。
カズマと劉鳳と、そしてカズマを継ぐ者と劉鳳を支える者の話だった。
主要なキャラクターをまぜ、新しい要素も付け加えつつ、それでもやっぱりスクライドだなぁ。
まさに感情の闘い、そんな感じのアフターだった。
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スクライド・アフター2
兵頭一歩イラスト 平井久司
電撃文庫
(2007.2/11読了)
譲れないのであれば闘うしかない。反発する強さ、負けようとしない強さ。それが生きることだと思い込めるときもある
兵頭一歩『スクライド・アフター2』本文より
スクライド・アフター2巻。
2巻は劉鳳がメイン。
強さを求めて生きる意味を求めて、そのために闘い続ける。
だからキャラクターたちは自分の意志を貫こうとするし、過去があってもそれとともにひたすら前に行こうとしている。
そうだよな。
スクライドってこういう話だったよなぁ。
次の3巻で終了…って出てないのかよ…
でも、うまいぐあいにまとまってるし、これでラストでもいい気がする。