感想のページ 作者「スター・ウォーズ」

過去の亡霊 Specter of the Past
未来への展望 Vision of the Future

ティモシー・ザーン Timothy Zahn
訳:富永和子
ソニーマガジンズ
(2005.6/15読了)

エピソード6のエンドアの戦いから15年。
ほぼ壊滅状態にあった帝国軍に勝機が訪れる。
10年前に死んだと思われていた軍神スローン大提督が復活した。
その噂は銀河中を駆け巡り、銀河は再び戦火に包まれる。

この小説、ハンドオブスローンシリーズはひとつのスター・ウォーズの終焉なんだろうと思う。
主人公のハッピーエンド。
マラ・ジェイドとの結婚が確定。
今まで色んなスターウォーズの作者によって勝手に色んな設定を加えられた
マラ・ジェイドというキャラクターにケリをつけた。
そういう風に読んでて感じました。
しかし、結局このあとのシリーズでさんざんな目にあってしまうわけですがw
ちなみに結婚式自体は小説ではなくコミックで。
翻訳はされてないようですが。
ここにルーク・スカイウォーカーというジェダイの人生のすべてが詰まっていると言えるような内容らしいのですが、小説化されないものなのかなぁ。

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タトゥイーン・ゴースト
Tatooine Ghost

トロイ・デニング Troy Denning
訳:富永和子
ソニーマガジンズ
(2006.2/21読了)

結婚したばかりのハン・ソロとレイアはレイアの今は亡き故郷オルデランの名画を競り落とすためにタトゥイーンへと向かった。
タトゥイーンでレイアが出会ったのはダース・ベイダーの幼き日の姿だった。

レイアへの求婚とスローン三部作を繋ぎつつ、エピソード1&2も盛りこんだストーリー。

レイアがダースベイダーの血を引く子供を生む決意がどこで生まれたか、が描かれてます。
そして、アナキンの母親シミ・スカイウォーカーがいかにアナキンを愛していたか。
ジェダイアカデミーに入ることになってからの10年の間にタトゥイーンでの生活がどう変わってきたか。
そしてレイアはその記録をみて、自分の父親がどんな人物であったかを知ることになる...

ブリッジノベルってこういうもののためにある言葉だよなぁ。

またスター・ウォーズにおいてえらく難しい時代に焦点を当てつつ、新三部作のエピソードとからませることができたなぁ。

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ダース・モール 闇の狩人
Star Wars: Darth Maul: Shadow Hunter

マイケル・リーヴス Micheal Reaves
訳:富永和子
ソニーマガジンズ
(2008.1/11読了)

だが、ダース・モールにとっては、マスターから与えられた任務は必ずやり遂げるべきもの。失敗するかもしれないという考えすら、思い浮かばなかった。

『ダース・モール 闇の狩人』本文より

出た当時「文庫で出せばいいのにー」と思っていたが、いま考えるとなぜか文庫上下巻より単行本1冊の方が安いんだよな。
ソニーマガジンズ版は…。

エピソード1の直前の話がこの「ダース・モール」。
舞台は銀河の首都コンサルト。
重要な情報を入手した情報ブローカーと彼を追うダース・モール、そしてダース・モールにマスターを殺されたジェダイの追跡劇。

都会の入り組んだ構造がこれほどアクションに向いているとは。

また、題名に冠された「ダース・モール」を主役にするのではなくあくまで脇役であり、ダークサイドの持ち主としてライトサイドのジェダイと比較しながらのストーリーもよかった。

ただ単にフォースのあり方を善悪として描かずに、フォースそのものを目的とするか、それともフォースを目的のための手段とするかの違いとして描いているのもまた面白かった。

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スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐
Star Wars: Episode3 Revenge of the Sith

マシュー・ストーヴァー Matthew Stover
訳:富永和子
ソニーマガジンズ
(2005.6/25読了)

映画はアナキンとオビ=ワンそしてヨーダによる物語。
だが小説版はメイス・ウィンドゥやパドメ、ドゥークーやグリーヴァスの視点でも描かれている。

共和国が帝国になっていく中、反乱した人たちの物語がエピソード3。
後の反乱軍の中心的な人物ベイル・オーガナやモン・モスマといった人物も物語にしっかりと絡んでくる。

ダース・シディアスとドゥークー、グリーヴァスといったクローン大戦に関わってきたダークサイドの確執も描かれる。

映画では読み取りにくいジェダイ・カウンシル(評議会)内での個々の対立。
主にメイス・ウィンドゥ、ヨーダとアナキンの間の心情。

10年以上の間の親友、オビ=ワンとアナキンのあまりに濃厚な会話の数々。

そして最終章最終節の「New Jedi Order」に辿りつく。

New Jedi Orderシリーズの「反乱」やクローン大戦の「破砕点」の
作者であり28年来のスター・ウォーズファンでもあるマシュー・ストーヴァーがこの小説版を執筆。
この本を翻訳した富永和子はスター・ウォーズの小説を80冊以上訳している。
この二人による至高のスター・ウォーズ小説。
映画と小説世界の融合。
この映画のノベライズとも思える小説は映画では描かれなかった小説世界の完結篇でもあり、未来の物語への架け橋となっていた。

かねてからのファンとってもある種狂喜乱舞できる小説です。

映画のノベライズとしてもちゃんと機能しているので
映画ファンも怖がらずに手を出しても大丈夫です。
むしろここから小説に手を出してみるのもよいかと(笑

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ジェダイの試練
Star Wars: Jedi Trial

デイヴィッド・シャーマン、ダン・クラッグ David Sherman and Dan Cragg
訳:富永和子
ソニーマガジンズ文庫
(2008.6/23読了)

フォースは善をなすため以外に使うには強すぎるのだ、パダワンよ。それを忘れるな。そうすればきみは最も偉大なジェダイとなれる。

『ジェダイの試練 下』本文より

スター・ウォーズのエピソード2と3の間の『クローン大戦』シリーズ3冊目。
アナキンが主人公の話。
一応これで『クローン・ウォーズ』シリーズはすべて読んだけれども、『クローン大戦』の中ではこれがもっとも『スター・ウォーズ』らしい話かも。

共和国にとって重要な拠点を奪還するためにアナキンと謹慎中のジェダイマスターのネジャー・ハルシオンが送られることになった。

アナキンが軍を率いる=命を率いるということの重さを知り、また戦争の最前線へ赴くことで次第に暗黒面へのとっかかりができていく過程の見せ方が素晴らしい。
しかも今回は戦争の最前線。
映像で見るあの光線が飛び交う戦場の派手さとその残酷さの両極をしっかりと描かれてるし。
他の『クローン大戦』のシリーズが政治など舞台裏を緻密に描いていったものが多かったから、なおそのアクション性が読んでて楽しい。

あと、なによりもアナキンの心の成長とパドメとの結婚というジェダイの律を破った後ろめたさが、だんだんとよくない方向へ動いていくところも見所だった。

今回のゲストキャラクターのネジャー・ハルシオンが後のNJOシリーズのコラン・ホーンの祖父だというからまたこれはこれで嬉しい驚きだった。

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暗黒の会合
Yoda: Dark Rendezvous

ショーン・スチュワート Sean Stewart
訳:富永和子
ソニーマガジンズ
(2005.6/24読了)

エピソードⅢの半年前。
分離主義者のダークサイドへと転向したドゥークー伯爵から
「ジェダイ・テンプルに戻りたい」という和平のメッセージが届けられる。

800年以上もの時間を生きてきたヨーダ。
ジェダイ騎士団のトップに立つ彼は世のすべてを悟っているような人物(?)。
ジェダイナイトを統率し、あらゆることを教えるグランドマスターという存在でもある。
ダークサイドを悪であるときめ、
それを当たり前だということになった元凶はエピソード1~3時のヨーダの存在と
ヨーダの価値観によるものではないだろうか。

今回出てくるダークジェダイの言葉に次のようのものがある。
「ダークサイドとは真実だ」
特定の人を愛するのも、特定の人を贔屓して接するのも
それは人として当たり前。
むしろジェダイの規律の方がおかしい。
ごもっともである。
欲や愛をまったく感じずに生きるのはジェダイとして当然。
…………。

この考えを壊すために作られているのが新三部作なような気がしてきた。

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悪の迷宮 上下巻
Labyinth of Evil

ジェームズ・ルシーノ James Luceno
訳:富永和子
ソニーマガジンズ文庫
(2006.2/20読了)

エピソードⅢがはじまる直前、パルパティーン議長を救出する直前までが描かれる。

クローン大戦ノベル第5弾。

エピソードⅢ直前で話がしっかりと終わりました。
そしてエピソードⅡ以降の小説で数少ないオビ=ワンとアナキンが主役の話でもあります。
グリーヴァス将軍やドゥークー、ヨーダと言った映画の中での発言は少ないけれど圧倒的な存在感を持ったキャラがどういうことを感じ、思っていたのかを補完するのにスゴクいい小説だと思う。
あとはアナキンがダークサイドへと堕ちていく過程を読み解くのにも、ね。

需要がないからなのかもしれないけど、この値段設定はどうにかならないのかなぁ。
250pで800円×2冊(上下巻)は高いって orz
スター・ウォーズ全史に至ってはついに1000円×2に。

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